音楽に使うお金をケチらないで欲しい

音楽に使うお金をケチらないで欲しい

合唱人には出すべき時は出して欲しい、と思っている。
演奏会を聴きに行くときに出演する知人に贈るプレゼントよりもももっと大事なものに。

支払うべきもの、あるいは価値のあるもの

楽譜

楽譜は必ず買って欲しい。そして、とても高価なものは仕方ないかなと思う部分もあるが、原則として書き込みたいことは直接楽譜に書いていって欲しい。もしキレイな譜が必要ならまた買い直す。楽譜は消耗品。価格が高いのはマーケットが小さいから。マイナーな趣味をしている代償だといって諦めて欲しい。高いお金を出してひどい作品の譜を買ってしまったら、自分を呪うか、もしくは作曲者に抗議すればいい。どこが良くないのかを指摘できるのであれば。

CD、演奏音源

昨今は演奏者や作曲家自身がどんどんネット配信しているので、そういったものがあれば積極的に活用していくべきだ。無断アップリードを含めた商用音源(CDのもの等)の海賊版をネットで聴いても得をするのはGoogleだけ。音楽家に還元されるようになるべく購入しよう。まぁ、巷に売っている合唱CDで、数千円のお金を出して聴く価値のある演奏はほとんどないのだが。ほとんどは演奏する曲を選ぶ参考程度にしかならない。

音叉

A=440HzとA=442Hzどちらが良いかは諸説ある。どちらが良いかは合唱団で決めれば良いと思う。ただし皆で合わせないと意味なし。音叉は、音取りをするときの基準になる。どちらといわず両方あると聞き比べたときに「これくらい違う!」というのがわかる。1時間のアルバイトで買える価格なので、練習に本番に音楽のお供として使って欲しい。

レッスン費用

上手になりたいのであれば声楽のレッスンは受けるべきだと思う。声楽を専攻すると合唱をやめるようにいわれることもあるみたいなので、大学で学ぶ必要があるのかは私にはわからないが。所属する合唱団の指揮者先生が耳が良くて歌を教えるのが上手ならその人に教えを請えばよいと思う。

演奏会チケット

結論から述べる。チケットは買おう。買わなければいけない演奏会は(値切ってもよいけど)ちゃんとチケットを購入して聴こう。
演奏会とお金というのは複雑な問題がある。職業音楽家の演奏会に対して対価を支払うのは当然だ。彼/彼女らは演奏活動で生活しているのだから。そうではなくて、われわれアマチュアの演奏会を聴くときの話である。アマチュアの演奏会だってお金は掛かる。アマチュアは演奏活動で生計を立てているわけでは無いかもしれない。しかし演奏に対する対価を受け取る権利はある。彼/彼女らが「 演奏に対する対価=演奏を聴くこと」と考えれば入場料無料の演奏会になるし、そうでなければ現実的な価格が設定されるだろう。
考え方の問題になるが、私は以下の理由によりチケット(そして楽譜)を買うべきだと考えている。

1. 音楽≠無償

音楽はタダで聴けるもの。そのように考えるのが当たり前になった世の中では、少なくとも曲に関しては良い作品は生まれない。信長貴富は別の仕事をしながら良い作品を書いていたが、それは例外だ。もし音楽=無償だったらということを想像して欲しい。木下牧子も松下耕も聴けない世の中になる。もちろん、かつての現代音楽のように新たな試みをするアグレッシブな音楽は売れないので経済的に成り立たないこともあろう。しかし合唱音楽はポップミュージックの遠戚だ。聴衆もしくは歌い手から支持されれば売れるし逆も然り。Jpopのミュージシャンが食っていけるのは音楽によって生活が成り立つから。合唱音楽の場合だって生活が成り立たなければ曲を書く人はいなくなる。
ひとつの演奏会は大抵3、4つのステージで成り立っている。全てが組曲だと仮定しよう。なんでもいいのだが、例えば以下のプログラムだったとする。
  1. 混声合唱のための「五つの母音の冒険」 作曲:長谷部雅彦 1080円
  2. 無伴奏混声合唱組曲「鳥の国」作曲:西村朗 1728円
  3. 混声合唱とピアノのための4つの歌「風になりたい」作曲:寺嶋陸也 1620円
  4. 混声合唱組曲「光のために」作曲:山下祐加 1620円
  5. 【アンコール】無伴奏混声合唱曲集「ここから始まる」より「ここから始まる 」作曲:北川昇 1296円
選曲の意図は不明だが、こういうプログラムであった場合一人あたりの楽譜代は7344円(税抜)だ。
仮に団員32名、指揮者、ピアノ奏者の計34名分を購入すると、楽譜代だけで249696円(税抜) になる。
これに加えて演奏会での諸費用が発生する。どんなに出費を抑えたとしても演奏会の体をなすためにはホール使用料、印刷物作成費、謝礼は必要だ。浮かせることができるのは楽譜代。一冊買ってコピーをすれば、24万の負担減。コピーしてしまいたいと思うのも無理はない。
しかし、作者に本来支払われるべき対価は得られない。作品に対しての対価を演奏者が支払っていないのであれば、それを聴く者も作品に対して同じ行為をしているに等しい。そう考えれば、音楽を聴くだけの者にとってもコピー譜の問題は他人事ではない。自分が支払わなければ演奏者が支払うことになるので、「 演奏を聴く≒楽譜を買う」くらいの気持ちで、せめて演奏会のチケットくらいは買ってしかるべきなのでは…と私は思う。

2.出演者と聴衆のコミュニケーション代金

私は演奏を有償で聴くことによって奏者(出演者)と聴者(観客)のコミュニケーションが成立すると考えている。演奏に対してリアクションをする権利みたいなものか。

録音機

自分の練習は録音してみるべき。安価なものでもよいが、音楽録音用のものを買おう。マイクの指向性から合唱には適さないと思いつつも練習程度ならZOOM H1でもないよりはずっと良い。

  

節約・節制すべきこと

携帯代

docomo、ソフトバンク、auの携帯電話を使っていて、あまり電話をしない人はすぐにでも格安SIMに替える検討をすべきだ。たいていの人は年間数万円単位で安くなる。浮いたお金で自分の音楽に投資しよう。



練習後のおしゃべり

私たち多くのアマチュア音楽家(合唱人)は練習で声帯を酷使している。そんな状態で無駄なおしゃべりをするのは本当に良くないことである。このおしゃべりというのはなかなかくせ者で、物理的にしゃべるのもそうなのだが、極端にいうと睡眠を取るべき時間帯にLINEやTwitterをしている(=web上のおしゃべり)だって声帯には良くない。普段はそこまで気にする必要はないが、ハードな練習をしているときは要注意。
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