イタリア歌曲コンテスト

僕の母校の合唱部には毎年3月に「イタリア歌曲コンテスト」なるものがある。通称イタコン。
板橋混声合唱団ではない。

合唱部の1年・2年生がひとり一曲ソロを歌う。
歌うのはイタリア歌曲集から一曲。候補曲は毎年顧問の先生が選ぶ。

選曲は派手な曲から地味な曲までいろいろあるが基本的には音大受験で歌うような曲が多い。
毎年人気があるのはSe tu m’amiやSento nel coreなど。

1・2年生、そしてピアノの弾ける3年生には大変なイタコンだが、今年は震災の影響で3月に活動ができなかったため4月末になった。

今までは卒業したら講評を書いたり審査をするのがOB・OGの役目だったのだが、実は昨年度からOB・OG合唱団もイタコンを開催していたようで、僕は今年審査員に呼ばれてしまった。

自分の方が下手くそなのになぜ他人の歌を評価しなきゃいけないんだと思いつつも断る理由がないので審査のため阿佐ヶ谷へ。

しかも当日になって演奏会で歌いたい曲があるから楽譜を買って来て欲しいと頼まれ、急遽表参道まで買いに走らされるという。

買ったのは信長貴富編曲混声合唱のための 傘がない ~陽水セレクション~。本当は信長貴富編曲『混声合唱のための TSUNAMI』も頼まれたが発売前…という事で1冊だけ。時間がなかったので表参道~原宿間と、高円寺~母校間を猛ダッシュするはめに。これで演奏しなかったら凹む。

楽譜をOG合唱団の先輩に届けたものの高校の保護者説明会のため時間が押していたので昼食を食べに阿佐ヶ谷ゴールド店街の「クロンボ」へ。町の洋食屋さんって感じでとてもレトロな雰囲気のお店。ここへ行ったのは多分二度目。ワンコインでハンバーグを食べられるお店なので高円寺にある「タブチ」と同じく僕のお気に入り。「タブチ」同様あまり清潔な感じがしないのが残念だが昭和を感じることができるからよしとするか。

2011年4月30日16時~
いよいよイタコンが始まる。
前日は現役2・3年のイタコンだったらしいがこの日も現役生は見に来ている。母校の小さなホールだが100人ほどの前でソロを一曲歌うのはどれくらい緊張するのだろうか。

歌うのはOGとOB合わせて29人。毎年じゃないものの全国大会にでる合唱団のソロだけに、みな上手で驚かされました。

僕も彼等と同じOBだから自分の実力は棚にあげていうと厳しい意見をいうと、全体的な傾向としては成績上位者も含めてブレスの前後の音の処理が甘いという印象だった。みんないい声をしてるし、スカっとした高音は、羨ましいなと思う浅ましい気持ちが起きる前、にただただその声の美しさを感じてしまう。だけど発声がまだまだ甘く、ブレスの前まで音を当て続けられない人が多い。呼吸が甘く声だけに頼っている人も少ないのだ。

魅せるべき装飾音符は美しく歌えるのにそうじゃないところの8分音符や16分音符は発音が曖昧だったり音が入っていなかったりする人が多いのも気になった。

この二つの合唱団(OB・OG)がもっといい音楽を奏でることができるようになるためにはここが大事なんじゃないかなと僕は思った。

合唱とは違い自分ひとりしかいないにも関わらず多くの団員がブレス前後に課題あるということは、合唱dもこの弱点はみえてくるのではないかと思う。

そして、もっともっと意識的に改善したらさらに成長できるな、とも同時に思った。

恥ずかしいから講評では言わなかったけど、個人的にはStar vicinoを歌った僕の同期の女の子と、2つ下の代のSさんの歌が心に響いた。

ふたりとも豊な響きがあるわけじゃないけど、とても説得力を持ったフレーズ感がある歌だった。

僕もあんなふうに歌えたらいいのになぁ。

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