平成28年3月27日(日)
25日(金)・26日(土)と続けて演奏会を聴いた。
所感を記す。
第48回浦和第一女子高等学校音楽部演奏会
平成28年3月26日(土)
13:00開場 13:30開演
さいたま市文化センター
曲目
第一部
髙田三郎 浦和第一女子高等学校 校歌
Franz Biebl Ave Maria
信長高富
女声合唱とピアノのための「百年後―タゴールの三つの詩―」より
百年後
John Denver 編曲:松本祐士 カントリー・ロード
久石譲 いのちの名前
つじあやの 編曲:松本祐士 風になる
Alan Menken 編曲:古川陽子 I See the Light
槇原敬之 編曲:西條太貴 どんなときも
信長高富 くちびるに歌を
第二部
柴田南雄 氷雨
土田豊貴 遠く来て
高島みどり 六月
相澤直人
さくらももこの詩による女声合唱曲集「ぜんぶここに」
ぜんぶ
第三部 ミュージカル「Puck」
浦和一女音楽部とは
浦和第一女子高等学校音楽部。浦和一女は埼玉県屈指の進学校であり、合唱の名門校でもある。昨年の全日本合唱コンクール全国大会高等学校部門Bグループで金賞を受賞した。百聞は一見にしかず。詳しくはCD等で音楽を聴いて欲しいが、筆者の最も好きな高校合唱団のひとつである。
演奏について
厳しいことを書くが、本当に金賞校かと耳を疑うような演奏だった。非常に残念でならない。比較的浅めの発声なのはいつもながらであるし、筆者は軽い歌声の一女が好きなのでそれはそれでよい。しかし声が揃っていないのと、リズム感がないのは非常に気になる。
100人を超えていたころと比べると非常に少なくなったように感じるが、それでも50人弱の合唱団である。パート内でもっと声を合わせて歌う必要性を感じる。
リズム
アンケートにも書いたが、リズム感がない。例えば校歌の4拍目の表拍がいつも詰まってしまう。とくに「思いみよ心ひそめてここに三年の春秋を」のあたり。それは1拍目から裏拍が抜けてしまっているためだ。2部音符も拍の数だけ伸びていない。個人でもパートでも全体でもとにかくメトロノームを使って練習することを心がけることを徹底して欲しい。その際できれば4部音符は最低でも8部音符を、できたら16部音符感じて歌うことを意識して欲しい。クッキーを作るときは砂糖の量を正確に測らなければならない。なぜならば俄然おいしくなるからである。拍は音楽表現の中で大変重要な役割を持っている。音程よりもずっと大事だ。機械の如く正確に表現できるようになることで、表現のために揺らすことができるようになる。難しいことではない。やるかやらないか、それだけだ。
髙田三郎の美しい校歌を歌うことができるのは一女生だけだ。新入生を迎えるときは素晴らしい校歌で「えらばれてすごすよろこび」を伝えて欲しい。
発声
音楽家でない私が発声に関して提案できることはあまりない。しかし同じパートからたくさんの声が聞こえることは良いことではない。例えば同じパートが10人居るとする。2人ペアを5組つくり、声を揃える練習をする。ペアで声が揃ったら、ペアを入れ替えていく。パート内で練習するとき、全体で練習するときには常にペアを意識するようにする。そうすれば全体の声も揃うようになるだろう。ペアを組めば声だけではなく、ブレスの仕方や、発声の癖などもチェックできる。
実践したことがないのでこの方法が有効かはわからないが、声を揃えて歌って欲しいと切に願う。
ホールに見合うスケールの音楽を
コンクール曲はさすがによくまとまっていた。しかしこれだけの人数なら、もう少しホールを鳴らして欲しかった。鳴りきらないのは、やはり声が揃っていないからだと思う。また、空間の広さを意識して歌うことも重要だ。観客席の後ろにいる人にも、目の前で歌っているかのような歌声を届けて欲しい。抽象的な話になるが、観客が歌い手の音楽をのぞき込むのではなく観客の心の中に音楽が入ってきて欲しい。定期試験を攻略するにはどうしたらよいのかを考えるように、観客に歌を届けるにはどうしたらよいうのかを考えるとよいだろう。
ミュージカルについて
例年の事ながら楽しませていただいた。今年は衣装がすごくよくまとまっていたのが特に印象深い。また小道具も多すぎず、少なすぎず適切だったと思う。照明の使い方も非常に良かった。
台詞で登場人物の名前を初めて呼ぶときは、少しゆっくり、丁寧にいうとよい。誰が誰だかわかるようになると入り込みやすくなる。照明が常にパックの位置を観客に教えていたように、台詞の話題になっている人物がわかるように発話するとよい。
高校生がこのような舞台を行っていること自体が奇跡的だと思うのだが、一女は毎年ミュージカルを上演している。ミュージカルで得た経験を合唱でも活かして欲しい。
最後に
いつもはアンコールで「春の合唱」と「音楽室から」を演奏していたが、いつから演奏しなくなってしまったのだろうか。筆者の母校合唱部の定期演奏会でも「雪の窓辺で」を歌わなくなってしまった。時代の移り変わりなのだから仕方ないのかもしれないが、先代から受け継がれていたものがなくなるのは寂しい。今年の新入生は全員が21世紀生まれという時代、恒例の歌をなくして空いた時間で、どんどん良曲を歌って欲しい。
金賞受賞校なのに観客が少ないのは寂しい。でも客は考えなくても良い。自分たちが聴きたいと思える演奏を、自分たちで出来るようになれば、自ずと集客もできるようになるからだ。頑張れ!
パンフレットに挟み込まれていたチラシ
西武文理学園中学高等学校合唱部 11th Regular Concert
Twitter
2016年3月30日(水) 16:30開演
所沢市民文化センター「ミューズ」アークホール
埼玉9大学による吹奏楽Joint Concert 2016
2016年4月17日(日) 13:30開場 14:00開演
サンシティ越谷市民ホール 大ホール
第58回東京六大学混声合唱連盟定期演奏会
Webサイト
平成28年5月7日(土)
東京芸術劇場 コンサートホール
女声合唱団ぴゅあはーと 5th Concert
Webサイト
2016年5月22日(日) 14:00開演
国立オリンピック記念青少年総合センター 小ホール
創立30周年記念・田尻明規傘寿記念
クール・ヴァン・ヴェール第24回演奏会
Webサイト
2016年5月29日(日) 13:30開場 14:00開演
彩の国さいたま芸術劇場
Brilliant Harmony 27TH ANNUAL CONCERT
Webサイト
2016年7月7日(木) 19:00開演予定
浜離宮朝日ホール
女声合唱団 青い鳥 定期演奏会vol.18
Webサイト
2016年7月22日(金) 19:15開演予定
川口総合文化センター・リリア音楽ホール
埼玉県立浦和第一女子高等学校音楽部
創部70周年記念演奏会
浦和一女音楽部OG会Webサイト・Facebook
浦和一女音楽部70th実行委員会Twitter
2016年11月23日(水・祝) 13:00開場 13:30開演
川口総合文化センター・リリアメインホール
Voces Fidelis
Webサイト
彩の国コンソーシアム合唱団KIRARA☆Mixed
Webサイト
埼玉県立浦和高等学校グリークラブ 第38回定期演奏会
Webサイト・演奏会特設サイト
2016年3月31日(木) 18:00開場 18:30開演
川口総合文化センター・リリア音楽ホール
Tokyo Cantat
Webサイト
2016年4月29日(金)~5月5日(木)
埼玉県立大宮高等学校音楽部 第52回定期演奏会
2016年6月19日(日) 13:30開場 14:00開演
Feelin’ SoundCafe vol.7
“偉大なる日本のMelodyMaker”
柏屋楽器Webサイト
2016年4月2日(土) 13:30開場 14:00開演
柏屋楽器5階フォーラムホール(浦和駅徒歩7分)